近年増えてきた家賃保証会社。数年ぶりに引っ越しをするお客さまが、その存在を聞いて「そんなの知らなかった」と反応される事が増えてきました。
事業者、物件毎に利用頻度の差異はあれど、ここ数年の間に、家賃保証会社は不動産賃貸のビジネスの仕組みの中に完全に入ったと言えます。
これから、3回の記事にわたって、家賃保証会社の説明と、それが増えてきた背景、そして、万一家賃が支払えなくなった時の対応を紹介します。
- 今後賃貸物件探しをするなら知っておきたい!家賃保証会社って何? (このページです)
- なぜ家賃保証会社が増えたの? 社会情勢や消費者金融業者の進出?
- 家賃保証会社は取り立て屋? 家賃が支払えなかったらまず連絡を!
家賃保証会社とは何?
簡単に言えば、賃貸契約時に必要な「保証人」が「保証会社」と変わったものです。
「保証人」を立てなくともお客さまです。「保証会社」の審査を通れば、物件に入居できる事になります。
「◯◯さん、今月分の家賃いつ払ってくれるの?」
「こらー◯◯!家賃はらえーー!」
テレビ、漫画等の物語の中で、大家さんが入居者に家賃を取り立てるシーン。どこかで見たことありますよね?
こういったシーンは、物語の上では、大家さんがコミカルな悪役のように描かれる事が多いですが、実際、家賃の未入金は、大家業を営むオーナー様にとっては死活問題です。
入居者目線では、たとえば、何ヶ月もの家賃滞納とは行かずとも、引き落とし口座の残高が偶々足りなかった事があり、督促が来ても「あぁ、入金するのを忘れてたか」とカジュアルに受け止める事も多いかと思います。
しかし、その家賃収入を糧としている大家さんにとっては、入金が遅れるのは大変な事なのです。
企業にお勤めかたは、勤めている会社からの給料の支払いが度々遅れられる事を想像されると分かりやすいかと思います。
「大家なんだから金持ちなんだろ? 家賃が少し遅れた位構わないでしょ?」と考えてしまうのは少々乱暴と言わざるを得ません。不動産事業は何かとお金がかかるものなんです。
特に個人で物件を所有されている大家さんにとっては、少しの入金遅延でも死活問題となる事が多々あります。
家さがしの際は、ぜひ余裕を持って家賃を支払える物件を選んでくださいね(^^
督促して直ぐに入金されるなら良いけど、実際は何ヶ月も滞納されるかたも少なくありません。
こういった時に代わりに家賃の支払いをお願いする相手として「保証人」を立てる仕組みは昔から不動産賃貸ではおなじみでしょう。
部屋探しの際に親御さまに保証人になって貰うように頼んだ事があるかたも多いのでは無いでしょうか。
大家さんにとっては安定収入がメリット
しかし、社会情勢の変化で「保証人」が家賃を安定させる制度として機能しづらくなって来ており、それに伴い「家賃保証会社」が増えてきた背景があります。
家賃保証会社は主に「保証人」の代替となるもので、大家さんに家賃が支払われなかった場合、入居者に変わって家賃保証会社が大家さんに一時的に家賃を建て替えてくれます。
これにより、大家さんにとっては家賃入金が滞っても、安定した収入をキープできるメリットがあるのです。
もちろん、家賃保証会社の収益は、本来大家さんが得られるはずの家賃の一部だったものです。本当は大家さんも滞り無く家賃入金があるのなら、出来れば節約したい費用なんですが、現実的にはそうはいかないシーンが度々あります。
また、「保証人」を立てていても、連絡すれば入居者の代わりに直ちに家賃を支払ってくれるかと言えば、なかなか上手く行かない事も多々あります。
よって、多少費用が掛かっても、家賃保証会社を利用する大家さんが増えてきたようです。
入居者にとっては保証人が無くても入居できるケースが増えるのがメリット
ここまでの話だと「家賃保証会社」は、大家さんばかりが得をする仕組みに見えますが、入居者にとっても、保証人いらずで物件に入居できるシーンが増えるのは大きなメリットと言えます。
旧来の「保証人」の制度だけでは、何らかの事情で親御さまが保証人になってもらえなかったり、残念ながら保証能力を認められない事があった場合、気に入った部屋があっても入居出来ない事になります。
また、近年は外国人定住者も増加しています。こういったかたは、そもそも保証人を立てられないので、家賃保証会社の存在はとても助かるものとなります。