入居者視点では、急に出てきた感のある家賃保証会社。
近年では不動産賃貸のビジネスの中にすっかり自然に取り込まれて、なくてはならない物になりつつあります。
前回の記事「今後へ賃貸探しをするなら知っておきたい!家賃保証会社って何?」に引き続き、今回は家賃保証会社が出てきた背景と、気になる「家賃の取り立て」についても触れてみます。
1.外国人の増加
海外から日本に来られたかたは、保証人として認められる人が無い事がほとんどです。
家賃保証会社は、身分証明と、安定収入の見込みさえ認められれば、ほぼ申請が通るので、日本で地に足をつけて活動したい外国人のかたにとっては本当に心強い仕組みと言えます。
外国人が増えることを快く思わないかたもいるかもしれませんが、高齢化社会、国際化社会の大きな流れにおいて、外国人労働者の増加は無くてはならない物と言えます。
家賃保証会社はこういった時代の流れにマッチしたと言えるでしょう。
2.高齢者の増加や核家族化
保証人として認められるには、安定した収入のある仕事に就かれているか、一定の資産を持っている必要がありました。
親御さまを保証人として申請しようにも、その親御さまが高齢者となり、現役を引退している立場なうえ、目立った財産が無ければ、申請が認められる可能性が低くなります。
また、核家族化の側面で言うと、保証人となる親御さまが遠方に住まわれている場合も、保証人として認めるのは困難になります。
万一家賃を払えなくなった際、代わりに支払いをお願いするかたが、お金を請求するのが困難な遠方に住まわれていると、回収コストが大きくなるので、保証人として認められるのは難しいです。
さらに、入居されるお客さま自身が高齢者の場合は、そもそも保証人となる人が身近に居る環境にある事自体がまれになっているのが現実です。
3.消費者金融業者の進出
2000年代の貸金業法(サラ金規制法)の整備で、いわゆる消費者金融業者は、それまで行っていた、行き過ぎた金利や取り立てを行えなくなりました。
これにより、家賃保証会社に業種替えする例が続きました。高金利は付けられないものの、債権の回収は消費者金融と共通する物があるので、良い業種替え先となっている様です。
ここで問題となっているのが、その回収の仕方です。
近年、一部の家賃保証会社による、かつての消費者金融のような強引な取り立てが社会問題となりつつあります。
家賃の回収には消費者金融の様な法規制が整備されていないので、かなり悪質な家賃保証会社も存在するのが実情の様です。
家賃保証会社については、
保証人 + 家賃保証会社を立てる必要のある物件もあります
物件の大家さんの経営方針によっては、万全を期すために、従来通り保証人を立てる事に加えて、家賃保証会社を利用されるかたもいます。
この場合、家賃滞納が発生した際に、大家さんに対しては家賃保証会社がまず家賃を立て替えて支払い、場合によっては、家賃保証会社が保証人に請求が行く形になります。
次回は、家賃保証会社の回収業務についてです。何らかの事情で家賃の支払いが遅れたり、滞納してしまった際に行って欲しい事を紹介します。